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市長あいさつ

富岡市長 岡野光利

●市長のプロフィール
  昭和16年1月8日生まれ
  群馬県立富岡高等学校卒業
  平成2年11月 富岡市議会議員となる(以後当選5回)
  平成22年4月 富岡市議会議員を失職(市長選挙に立候補したため)
  平成22年4月 富岡市長に就任

所信表明(平成22年5月31日)

●所信表明(平成22年5月31日富岡市議会臨時会) 印刷用PDFファイル

 さる4月11日に執行されました市長選挙におきまして、議員の皆様方をはじめ、市民の多くの方々からご支援をいただき、市政を担当させていただくこととなりました。市長として課せられた使命の大きさと、重責を厳粛に受け止めまして、世界遺産を持つに相応しい新しい富岡市の構築、そして、富岡市の発展と市民福祉の向上のために、全身全霊を傾けて取り組む所存でございます。
 本日、平成22年5月臨時会が開催されるに当たりまして、市政に対する所信の一端を述べさせていただきまして、議員並びに市民の皆様方に、より一層のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 さて、日本の経済は、90年代初頭のバブル崩壊以降、伸び悩みが続き、さらに、サブプライムローンに端を発する混乱の影響が、いまだに続いている状況であります。また、少子高齢化が進展する中で、生活のセーフティネットにほころびが生じてきており、国民は今後の生活に不安を抱き、それがさらに消費を抑制し、経済を冷え込ませるという悪循環に陥っております。こうした局面を打開して安定的かつ持続的な経済成長を実現し、国民生活の質を高めていくことが、喫緊の課題となっております。
 一方、政治は、今、混迷の度合いを増しております。とは言いましても、新しい時代に日本が動き始めた、変革の時代が到来したと認識するわけでございます。この新しい時代の流れに、どのように自治体が対応していくかが課題となるわけでございます。行政も市民も、そして議会の皆様も、この時代の変化にどう対応していくかが問われているのであります。ダーウィンが「種の起源」で述べている「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるわけでもない。唯一、生き残るのは変化できる者だけである」という一節が思い出されるわけでございます。
 また、地方分権、地方主権という、新しいシステムの構造改革が進む中で、国と地方がお互いに痛みや責任を分かち合わなければ、日本は再生できないと指摘する向きもございます。今、地方自治体を取り巻く厳しい財政状況の下、少子高齢化への取り組み、国の行財政改革への対応、地域産業の振興、中心市街地の活性化策など、さまざまな行政課題が山積する大変な時代を迎えております。このような時代には、「天は、自ら助くる者を助く」という自助の精神を気概として、行政運営を進めていかなければならないと考えております。
 さて、このたびの選挙におきまして、この厳しい時代を乗り切り、公平公正な市政を推進するために、人を大切にするマニフェストといたしまして、「幸せな暮らしを支える福祉」、「未来に向けた教育」、「自然を守る循環型社会」、「地域経済の振興と活性化」、「行財政改革」を5つの柱として掲げさせていただきました。
 これらは、それぞれに展開されるものではなく、相互に連携されてこそ、相乗効果を発揮するものであります。着実に実現していけるように、広く市民の皆様の声をお聴きしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、この5つの柱を相互に連携させながら、市政を推進することが富岡市の将来都市像の構築につながるものであり、その目指す姿は「国際田園工業都市」であると考えております。
 それでは、はじめに、「国際田園工業都市」の考え方につきまして、申し上げます。
本市は、養蚕やこんにゃくをはじめとした農業と、日本の近代産業発祥の地、富岡製糸場に代表される工業とが、調和のとれた発展をしてまいりました。
 近年、農業の主力は、野菜や花卉などの園芸作物、そして、シイタケに代表される林産物に移り変わり、また、工業では、工業団地の造成や企業誘致で、自動車産業などに関連した中小企業からロケット製造まで幅広い業種により、市民一人当たり工業製品出荷額が県内でも指折りの水準を維持しておりまして、田園工業都市としての歩みを進めております。
 このような中で、「富岡製糸場と絹産業遺産群」として、世界遺産登録を目指す運動が始まり、平成19年には世界遺産暫定リストへ掲載されたわけでございます。
 世界遺産の登録には、富岡製糸場が世界に対して、どのような影響を与えてきたかを立証するとともに、国や市民が富岡製糸場について責任を持って、後世まで引き継ぎ、守っていく取り組みが必要でございます。また、世界との関連では、地域の産業経済のグローバル化に対応し、外国へのアピールを積極的に行うとともに、観光産業にも力を入れて、まちづくりを進めていくことが重要となります。
 そのため、世界遺産に相応しいまちづくりと田園工業都市を融合させた「国際田園工業都市」を目指す姿と考えたわけでございます。

 次に、5つの柱につきまして、申し上げます。
 1つ目は、「幸せな暮らしを支える福祉」への取り組みでございますが、市民の皆様が住んで良かった、暮らして良かった、と思える富岡市を築くことであります。
そのためには、福祉政策をしっかりと根付かせて、安心して子どもを産み、育てることができる環境、安全安心に暮らせる環境を整えて、生きがいのある幸せな生活を送ることができなければなりません。
 市役所は、最大のサービス産業であり、市民一人ひとりの一生涯にかかわるサービスを提供しております。そのことを肝に銘じて、職員と一丸となって、率先垂範で市民全体の奉仕者として、行政を進めてまいります。
 そのための施策といたしましては、1、国民健康保険税を15%減税します。2、第3子以降の保育料を無料にします。3、一人暮らしの老人でも安心して暮らせるまちにします。以上の3点でございます。なかでも、すぐに着手したいと考えておりますのが、国民健康保険税の減額であります。近年、税額の値上げが続きましたので、加入者の皆様の負担軽減を行い、安心な暮らしを支えるために、早急に15%の引き下げを行いたいと考えております。

 2つ目は、「未来に向けた教育」への取り組みでございます。
 教育は、社会にとって極めて重要な問題でありますので、学校のみならず、家庭、地域、行政が一体となって、地域の子どもたちの健全育成に取り組む必要があります。また、歴史や文化・産業遺産があり、自然環境も素晴らしい富岡市を未来に引き継いでいくために、将来を見据えた、未来に目を向けた人材育成が必要であります。
 富岡製糸場には、創建当時、フランスから技術者や最新型の繰糸器が導入されるなど、国際的な交流が行われていたという歴史がございます。今、世界遺産登録を目指した運動を展開しておりますが、世界遺産に相応しいまちづくりを進める上で、主役となるべき市民の存在は欠かせません。「まちづくりは、人づくりである」と言われるとおり、無限の可能性を秘めた、若い芽を大切に育ててまいります。

 そのための施策といたしましては、1、学校施設の安全確保のため、早期に施策を実施します。2、生きる基本である食育の充実を行います。3、国際化に向けて、英語教育の推進を行います。4、スポーツの振興とスポーツ施設の充実を図ります。以上の4点でございます。まず、未来ある子ども教育の充実と安全な環境整備として、小中学校の耐震化を順次進めてまいりますが、特に、東中学校の耐震化につきましては、早急に検討してまいりたいと考えております。

 3つ目は、「自然を守る循環型社会」への取り組みでありますが、富岡市は、温暖な気候で日照時間も長く、災害の少ない、非常に住みやすいまちでございます。
 その恵まれた環境を未来に引き継いでいくのが、今を生きる私たちの使命であります。環境問題への取り組みは、急務となっております。従来の大量生産、大量消費の社会に決別し、作ったものを長持ちさせて大事に使う「持続可能社会」へと舵を切り替えていかなければなりません。環境問題は、「グローバルに考え、ローカルに行動する」ということが重要でありますので、市民の皆様と力を合わせて、一緒に汗を流しながら、循環型社会の確立に努めてまいります。
 そのための施策といたしましては、1、古紙、空きビンなどの集団回収の補助金額を5円から10円にします。2、太陽光や小水力など、自然エネルギーの活用を図ります。3、バイオ技術を活用し、資源の循環を図る施策を推進します。以上の3点でございます。早速、7月1日から、古紙や空きビンなどの集団回収の補助単価をキロ当たり5円から10円に引き上げさせていただきます。このことによりまして、地域・団体のリサイクル運動への支援と、市民意識の啓発が図れるものと考えております。

 4つ目は、「地域経済の振興と活性化」への取り組みでございます。幸せな暮らしを送るためには、安定した生活基盤が必要であり、地域経済の振興や活性化は欠かせません。
 そこで、富岡製糸場を核とした観光産業をはじめ、富岡製糸場との関連性も念頭に入れながら、工業の振興、商業の活性化、農業の充実を図り、地域経済の活性化に努めてまいります。
富岡市には、富岡製糸場はもちろん、日本三奇勝の一つ妙義山、古い歴史を持つ上野の国一之宮の貫前神社、権現造りの豪華絢爛な妙義神社、親子連れに人気の群馬サファリなどの観光資源が数多くございます。それらの観光資源を活かしたコースの設定やお土産物の開発など、観光産業には発展の可能性が秘められております。
 また、富岡製糸場が近代産業発祥の地という誇りを持って、田園工業都市を支えてきた「ものづくり富岡」を復活させたいと考えております。
 そのための施策といたしましては、1、富岡製糸場を核として観光産業の振興施策に着手します。2、ものづくり支援のため、(仮称)工業技術振興センターを設置します。3、耕作放棄地の解消を目指す「農用地利用集積計画」を進め、農業の活性化を行います。4、稲葉製作所の早期着工への働きかけなど、企業誘致を積極的に行い、雇用の創出を行います。以上の4点でございます。特に、「ものづくり富岡」を復活させるため、早期に(仮称)工業技術振興センターを設置し、技術・人材育成や情報提供、経営力の強化のためのコンサルティングなどを行ってまいります。

 5つ目は、「行財政改革」でございますが、まず、公平公正でクリーンな市政を推進するという観点から述べさせていただきます。市民の皆様の信頼なくしては、どのような政策も必要な改革も実現することは不可能であります。政治や行政に対する信頼を得ることが最も重要なことでありますので、私は、早急に政治倫理条例を制定し、自らを厳しく戒めてまいりたいと考えております。  また、本市の財政状況は、若干、明るさが見えてはきたものの、地域経済は依然として厳しいため、持続可能な行政経営のためには、行財政改革を強力に推し進めていかなければなりません。
 そのための施策といたしましては、1、市長の報酬を30%減額します。2、分かりやすい情報を積極的に公開します。3、機能的な組織改革を実現します。以上の3点でございます。特に、聖域のない改革を進め、健全な財政にするために、「隗より始めよ」の言葉のとおり、まず、私が自ら率先して、市長報酬を30%削減することから始めてまいります。
 以上が、マニフェストで掲げました5つの柱でございます。

 最後に、市政の運営につきまして、その考え方を述べさせていただきます。私は、市政の運営に当たりましては、上杉鷹山の考え方が重要であり、参考になると考えております。鷹山は、江戸中期、極度の財政難に陥っていた米沢藩を見事に甦らせた希代の名藩主でありまして、アメリカのケネディ大統領に「最も尊敬する日本人」と言わしめ、現代の企業経営者からも尊敬を集めている人物でございます。
 アイディアや発想力を活かして、ベニバナ栽培や木彫り彫刻、米沢織などの数々の特産品を振興し、見事に藩の財政を立て直すとともに、「改革を進めるには、人づくりが大切だ。人づくりを無視した改革は、決して成功しない。」「客に対するサービス精神を何よりも経営の根幹に置くべきである」という、今日的な企業精神を唱え、「国民や地域住民のために、役所や役人が存在するのだ」と訴えました。
 それは当然の話でありますが、その当たり前のことを常に念頭に置くとともに、鷹山の名言であります「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」を理念として、市政運営に当たってまいりたいと考えております。

 これまで多くの先人が守り育ててまいりました、この歴史と文化、自然豊かな郷土、富岡市を、さらにすばらしい「誰もが誇れるまち」にするために、全力を傾注してまいる所存でございます。
 議員の皆様をはじめ、市民の皆様におかれましては、市政への取り組みにご理解、ご協力をいただくとともに、ご指導、ご鞭撻を心よりお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

お問い合わせ: 総務部 市長公室 TEL: 0274-62-1511(代) FAX: 0274-62-0357

hisyo2@city.tomioka.lg.jp

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